ネオニアーノ洗礼堂、十二使徒のモザイク(熱心党のシモン?)
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ちょっと収蔵品の幅が広すぎて全体的に散漫な印象が否めない国立博物館を後にし、サン・ヴィターレ聖堂近くのバールで軽くお昼ご飯。
その後、ラヴェンナのドゥオモを目指します。お目当てはドゥオモの裏手にあるネオニアーノ洗礼堂。
洗礼堂は、写真左の八角形の建物です。地味でしょぉ、やっぱり。
中に入ると、またしても華麗なモザイクの世界。洗礼堂なので、キリストの洗礼の場面がドームの中心に描かれており、その周りを十二使徒が囲んでいます。
5世紀のものです。今から1500年も前のものがこんなに綺麗に残っているのが奇跡です。
が、しかし、しかしですよ、この洗礼の場面が、何というか、
赤面モノ なのですよ。宗教美術で、モザイクで、この写実主義って。
ほらこの通り。
この水の表現、モザイクですよ。とはいえ、不謹慎な私は、この見事であると同時に『愉快な中世』満開のこのモザイクに、微笑を禁じ得ませんでした。
洗礼堂の後は、そのすぐお隣にある大司教区博物館へ。写真撮影禁止だったので写真はありませんが、博物館内に小さな礼拝堂があって、そこでも素晴らしいモザイクが鑑賞できます♪
さて、またまた地図を片手にてくてく10分弱歩いて辿り着いたのが、サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂。
ここも見た目は素朴そのもの。この落差がたまらないんですけどね。
一時ラヴェンナを治めた東ゴート王国の王テオドリックが建設した教会が起源です。ビザンチン帝国のユスティニアヌス1世の時代に、元からあったモザイクに加えてビザンチン的な装飾が加えられたそうです。
「中は凄いんだろうなぁ」と予想がつくのに、ここでも「うわぁぁぁぁ」と声を上げてました。
ここは、教会内部の両脇の壁に延々と殉教者の行進がモザイクで描かれているのです。
まずは、入って左側、殉教した女性たちの行進。
その先には、聖母マリアに貢ぎ物を捧げようとする3人の王たち。
入って右側、殉教した男性たちの行進。
人間、見事な物を目にした時は無口になるんですね。呆然とするというか、言葉にすると単に空しいというか。
半ば惚けたまま、最後の目的地、アリアーニ洗礼堂へ。
ネオニアーノ洗礼堂よりもさらにこじんまりとした建物。
表通りから入った静かな通りにあるので、なおさら地味な感じです。
そして、ここでもちょっと赤面(笑)。
ビザンティン美術ってこんな写実主義でしたっけ??
どうもネオニアーノ洗礼堂は、見学終了時間ギリギリだったらしく、私達が外に出たら扉にかぎをかけていました。時刻 16:25。おぉぉ、もうちょっと遅ければ諦めなければいけなかったのねぇ。よかったよかった。
さて、これでラヴェンナでのモザイクは制覇したのですが、電車の時刻まではまだ間があります。どうしようかと考えた挙げ句、駅の反対側にある、テオドリックのお墓に行くことにしました。
見学時間に間に合うか微妙だったので、かなりの早足で(笑)。2km ぐらい歩いたでしょうか。思ったより遠くて、うんざりしましたがようやく到着。
が、が、やっぱり間に合わなかった(涙)。。。ので、外からのみの見学。
ローマ帝国末期のどの皇帝よりも皇帝らしかったという、東ゴート族の王テオドリック。33年間の長きに渡る治世でした。
少々がっくりしながら、ラヴェンナ駅へ。これがまた遠くてですね(涙)。駅の入り口は反対側にしかなく、そちらに行くには、延々と線路沿いに歩いてぐるっと一回りしないと行けないという(爆)。よろよろになりながら更に2km ほど歩いて駅に戻り、ボローニャ行きの電車に乗り込みました。
無事にホテルに戻り、一休みして夕ご飯へ!!!!
(左)ボロネーゼのタリアテッレ
(右)旦那さんのメイン、モデナ名物コテキーノ(サラミソーセージ)
(左)私のメイン、豚のすね肉のオーブン焼き
(右)サービスでいただいた、ブルーベリーのグラッパ
〆は昨晩と同じく、マスカルポーネのデザート。
あぁ、溜息もののラヴェンナのモザイクと、美味し過ぎるボローニャ。
さて、次回は、ようやく最終回(笑)。最終日のボローニャ観光です。