妹家族とのニースへの小旅行。最終回は、妹のリクエストだった美術館巡りです。
ニースで有名な美術館といえば、マティス美術館とシャガール美術館。それまであんまり興味がなかったマティスとシャガールの作品に私が魅かれるようになったのは、15年前にニースの美術館を訪れた時からなのです。
ニースに長年住んだ2人の画家の作品の色合いは、南仏の光と空を疑似体験できるような気がします。なのでニースで観るとよりその空気感を実感できるというんでしょうか(大げさかな)。
リヴィエラパスで3日間乗り放題の2階建て観光バスに乗って、まずはマティス美術館へ出発。このバスではマティス美術館・シャガール美術館のどちらも停車ポイントになっています。ニースの中心地(マセナ広場周辺)からは山側に入った瀟洒な住宅地にあります。一般のバスでも行けますよ〜。
マティス美術館。この建物、何というか書き割りみたいな、板に描いてあってパタンと後ろに倒れそうな平面的な感じがしませんか?15年前と同じ感想を持った自分が面白かったです。あ、成長がないってこと??
マティス美術館(写真撮影不可)、個人的には随分がっかりしました。15年前は、有料だった代わりに、展示品もかなり充実していて、マティスのあの大胆な線や、色彩を思う存分楽しめた記憶があったんです。
今回訪れてみたら、入場は無料になっていたんですけれど、展示品がものすごく少なくてびっくりしました。残念だなぁ。。。
姪には美術館は楽しくないかなぁと思ったんですが、姪は姪なりに楽しんでいて、マティスの作品を観ては「**戦隊の**ブルーのブルーだー」と教えてくれたり、「あの女の人、白雪姫に毒リンゴを渡した魔女じゃない?」と耳打ちしてくれたり(笑)。マティスの描いた女性の肖像画のポーズを真似っこしたりもしました。
その後、マティス美術館前にある公園で、サンドイッチとビールでの青空ランチ。公園内はオリーブの木がたくさん植えてあって、オリーブを拾ったりして遊びました。回転木馬にも乗りましたよ〜。
姪のおかげで、こんな可愛い回転木馬に乗れましたよぉ♪ちなみに、我々2人のみという贅沢さ。係のおばさんがこれまた優しくって、姪は周回する毎におばさんに手を振ってました。えぇ、もちろん私も一緒に。
ひとしきり遊んだ後、シャガール美術館へ。また2階建てバスに乗ろうかと思ったのですが、食後のお散歩を兼ねて徒歩で向かいました。この日も雲一つないお天気で、暑いのなんのって。実際の距離は大したことないのですが、日なたはかなり暑く、シャガール美術館に着いた時は結構へたばってしまいました(苦笑)。
シャガール美術館は15年前の印象通りでした。
久々にじっくりシャガールの作品を観て、作品に囲まれて、あの色使い、自由な感じ、「あぁ、やっぱりシャガールはいいなぁ」と思いました。
シャガールの描く動物の目がとっても愛嬌があって好きなんです。あとは、描かれているもの全てが浮遊しているところ。そうそう、あの青と緑の独特の色合いにも引き込まれます。
シャガールの絵は、どこか哀しくて切ないんだけど、ユーモラスで明るい、という相反する要素が入っているのがたまりません。そういう意味では、ロートレックも(私の中では)同じタイプの画家ですが、シャガールの場合は哀しさ&切なさの割合がロートレックより低めな分、観た後により幸せな気分になれるような気がします。
今回、棟方志功の作品を思い出したシャガールの絵がいくつかありました。
現場では「おぉーーー」と大発見した気でいましたが、今こう観ると、分からなくもないけど、みたいなレベルだなぁ、何でかなぁ。。。
姪はぐっすりベビーカーでお昼寝しており、妹も久々にゆっくり絵画鑑賞を楽しめたようでよかったです。