イスタンブール 3 日目。この日は、前日の夜にトルコ観光局のサイトで見つけた、
ソクッル・メフメット・パシャ・ジャーミー Sokollu Mehmet Pasha Mosque(名前、長っ!)に行きました。
トルコ観光局の紹介文を抜粋:「16世紀の建築家シナルの傑作で、古典的トルコ建築のなかで最も美しいものに属します。内部は息を呑むような青・緑・紫・赤のイズニックタイルが織り成す優雅なデザイン」
興味そそられるでしょー? 建築家シナルっていう名前もよく見かけていたので、これは行くしかない。
地図で見ると、昨日観光したブルーモスクのあたりからマルマラ海の方へちょっと行ったところのよう。
ちょうど道すがらだったので、昨日素通りしてしまった(汗)古代ローマ時代に起源を持つ、大競馬場跡をお散歩。ブルーモスクのすぐ脇にあります。
右側の木が植わっている細長い敷地がそれです。四頭だての戦車レースに使われていたそうです(しかし古代ローマ人はホントにこの競技が好きですねぇ。。。)。
この大競馬場跡で目を引く、オベリスク。テオドシウス帝の命で、エジプトから 3 分割して持ってきたんだそうです。これは一番上部の 1/3、あとの 2/3 はどこに行っちゃったんでしょう。。 。
写真手前がテオドシウス帝のオベリスクです。
このオベリスク、紀元
前 15 世紀のオリジナルなんですよー!!!
保存状態がよくってびっくり。エジプトのヒエログリフはデザイン的にとても素敵です。あ〜、スカラベだぁ!、と盛り上がる(笑)
でね、好みの問題なんですが、オベリスクの見事さに較べて土台部分が。。。5 世紀近くになると古代ギリシャ・ローマ美術とは程遠くなる(涙)。
テオドシウス帝が勝者に月桂樹の冠を授けているところです。ローマで見たトラヤヌス帝の円柱との差といったら(絶句)。あくまで好みの問題なんですけれど。
テオドシウス帝、キリスト教を国教に定めた人です。同時にギリシア・ローマ宗教(多神教)の廃絶を決議させた人です。それ以降、夥しい数の古代ギリシャ・ローマ時代の神殿や彫像が、『邪教』の象徴として破壊されたそうです。今見ることの出来るギリシャ時代の彫刻の多くが手が欠けていたり、顔が削り取られていたりするのは、こういう理由もあるのです。
くー、お前かー!
気分を切り替えて、ソクッル・メフメット・パシャ・ジャーミーを目指すことに。地図を頼りに、地元の人がお買い物をする市場を横目に、坂を降りて行ったのですが、あれれ、ないぞ。
迷子になる前にと、個人商店らしき前で店番をしていたおじさんに道を教えてもらう。どうやら市場を通り過ぎたら、坂道を下る前に、右に折れるのだとか。うむむ、来過ぎてしまったのね。
で、おじさんに教えてもらった通りに行くも、ない。。あれ、右に折れたらすぐそこ、みたいな話し振りだったのに(涙)。そうこうしているうちに、違うモスクに出てしまい、「え、地図だとこんなとこに来てるよー」とか言いながらまたもウロウロすること 30 分ばかし。
迷子になってて気づきましたが、この辺りは起伏に富んでいるのです(涙)。すっかり体力を消耗し、汗だくになった頃に辿り着きました、ソクッル・メフメット・パシャ・ジャーミー!!!
ソクッル・メフメットという名前の宰相(パシャ)が建てたモスク(ジャーミー)です。ちなみにこの方、セルビア人です。
汗だくでしたが、モスクに入るには髪の毛と肌を覆わなくてはなりません。持ってきたスカーフを被りました。暑いのなんの。
中の広場では、結構な数の子供たちが回廊に座って何やらお勉強の真っ最中。どうやらコーランのようで、年上の子が年下の子に教えてあげているようでした。寺子屋ってこんな感じだったのかなぁと思いました。
東洋人が珍しいのか、私のスカーフの被り方が奇妙だったのか、それともその両方なのか、彼らの視界に入ってからモスクの中に入るまで、注目されまくりでした(汗)。モスクに入る時に、どこで靴を脱げばいいのか我々が戸惑っていると、その中の少し年長の男の子が親切に教えてくれました。で、変なとこ気の弱い私は、さらに汗をかいちゃったんですけど(苦笑)。
内部は写真不可なので撮影していませんが、
これこそブルーモスク 、という一語に尽きます。
決して大きくないモスクですが、イズニック産のタイルの様々な青と緑とが織りなす空間は、本当に綺麗でした。Sokollu Mehmet Pasha Mosque で画像検索すると写真がいくつか見れますよ。
またしてもお勉強中の子供たちの注目を一身に集めながら(苦笑)、モスクを後にしました。
次に向かったのは、これまた前日に行くことに決めたモザイク博物館。ブルーモスクの裏手(大競馬場跡とは反対側)にあります。
入り口が地味で、一度素通りしてしまいました(汗)。
博物館の敷地に入った途端、可愛い猫ちゃんがお出迎え。イスタンブールには野良猫なのか半飼い猫なのか、とにかく猫だらけ。しかも、みんな人懐っこい。向こうから「ニャー」と言いながら寄ってきます(驚)。会う猫会う猫ですよ。よっぽど、可愛がられているんでしょうねぇ。
猫好きの旦那さん、メロメロです。
まるで犬のように人懐っこい猫ちゃんに後ろ髪を引かれつつ、モザイク博物館へ。ここは、ビザンチン帝国の宮殿跡から見つかったモザイクを修復・保管しているところです。
修復作業をしているのは、みんな若いお嬢さんたちでした。
こじんまりした博物館ですが、床一面、壁一面、モザイクだらけです。見応えたっぷり!しかも空いてます。
石片の大きさは 1センチ角。気が遠くなる作業量です。皇帝の権力と財力はすごいですね。。。
輪を転がす競争をする子供たち。緑と青の縁取りのあるチュニックを着ていますが、これは暗に戦車競技で人気のあった二つのチーム(青、緑)を表すんだそうです。どちらのチームを応援するかで政治的立場も違ったって言うんだから驚きです。
鷲と蛇。闇を打ち負かす光を象徴しているそうです。アレキサンダー大王が、神格化した自分の友達のためにバビロンに建立した記念碑に表現されていたモチーフだそうで、後に古代ローマ軍の軍団旗の一部を成していたんですって!!おーーー。
モザイクの説明は英語で書かれていたんですけど、単語とか分からないものも多いのでとりあえず写真を撮ってきたんです。で、今ブログを書くために
ようやく 訳してみてびっくり。ブログで旅行記書いていてよかったなぁ(嬉)。
何だか 2 度楽しめましたよ、モザイク博物館。
この後、ボスポラス海峡クルーズに向かう予定だったんですが、予定は未定、キリムを買っちゃいました。えぇ、絨毯屋さんで(笑)。
というわけで(?)、次回は『念願のキリム購入&ボスポラス海峡クルーズ』で〜す。