前にも書きましたが、うちの同僚たちは日本に興味津々です。彼らにとっては(よくも悪くも)、私=日本総代表という、単純極まりない
というより空恐ろしい 図式ができあがっているようです。
こういう立場になって初めて、ごく限られた人達からの話を一般化してきた私は、いかに無知だったかを思い知る訳ですが(涙)。
最近は日本語に関する質問が多くて、「日本語では***を何て言うの?」と、ほぼ毎日聞かれます。これが結構悩ましい質問で、フランス語(もしくは英語)のフレーズそのままに該当する言葉があるかというと、ねぇ。。。
で、説明する訳です。
フランス語と日本語みたいに、背景としている文化も起源としている言葉もまったく違うような場合は、フレーズをそのまま訳して同じ場面設定で使うと滑稽になる場合が多いよと。
とはいえ、想像できる限界を超しているようで、「???どういうこと?」と質問されます。
というのも、うちの同僚たちの多くはドイツ語、スペイン語、イタリア語、英語、フラマン語などにはなじみ深いようですが、日本語のような全く違う構造を持つ言語を学んだことがないので無理もないのです。
先日例として挙げたのは、「元気?調子はどう?」みたいな挨拶。
フランス語でも英語でも、必ず毎日最初に会った時に「Ca va?」「How are you?」などと(時には返事を期待してなくても)問いかけますが、日本語でこれを例え「元気?調子はどう?」と訳せたとしても、しょっちゅう会う相手には聞かないですよね。明らかに元気がなさそうだったりした場合は、「どうかしたの」と聞いたりはしますけど。
この説明を聞いた後のうちのフランス人同僚たち、ひとしきり「おーーー!でも、じゃぁ、僕たちは何で聞くんだろう」と議論していたんですが、そのうちの一人が言いました。
「アングロは分からないけど(注:アメリカ人&イギリス人のこと)、フランス人はさ、ほら、いつも何かしらに不満で、文句を言うのが大好きじゃない。だからさ、礼儀として「Ca va? 元気?」と問いかけることで聞かれた方が胸にある不満をぶちまける機会を提供しているんだよ」
確かに、他愛もない軽い朝の挨拶のつもりが、おっとびっくり30分ほどかかることもありますがね(笑)。
そして彼らの達した結論。
「じゃぁさ、僕たちは実は日本人より礼儀正しいんだね!」
ん???